内卦
乾
外卦
艮
大畜
「 貞(ただ)しきに利(り)あり。家に食(くら)わずして吉なり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。 」
卦辞
貞(ただ)しきに利(り)あり。家に食(くら)わずして吉なり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。
大畜の卦は、偉大なる蓄積と養育を象徴する時です。山が天の上にあり、その奔流を一旦留めるこの卦は、単なる物質的な富ではなく、知性、経験、そして精神的な器を大きくする期間を意味します。現代の生活に置き換えるなら、目先の成果に急がず、着実に自己研鑽を積む「静の時」と捉えるべきでしょう。
しかし、その蓄えを自己満足で終わらせてはなりません。「不家食(家にて食らわず)」という言葉にある通り、磨いた才能は社会という広場で供給され、初めて真価を発揮します。自身のスキルや知見を組織や他者のために役立てることで、さらなる循環が生まれるのです。内なる準備が整った今、「利涉大川(大いなる川を渉るに利ろし)」の如く、これまで畏れていた大きな挑戦や変化へと踏み出すことを恐れないでください。蓄積された知恵は、必ずや荒波を乗り越える力となります。
卦体
初九
危(あやう)きあり。已(や)むに利あり。
九二
輿(よ)、輻(とこしばり)を説(と)く。
九三
良馬逐(お)う。艱(かた)く貞(ただ)しきに利あり。曰(い)わく、輿(よ)衛(えい)を閑(なら)う。往(ゆ)くところあるに利あり。
六四
童牛(どうぎゅう)の牿(こく)なり。元(げん)吉なり。
六五
豮豕(ふんし)の牙(きば)なり。吉なり。
上九
何ぞ天の衢(みち)ならん。亨(とお)る。