卦辞
亨(とお)る。王、有廟(ゆうびょう)に仮(いた)る。大人(たいじん)を見るに利あり。亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。大牲(たいせい)を用いれば吉なり。往(ゆ)くところあるに利あり。
「萃」の卦は、万物が集い、エネルギーが凝縮される様相を表します。沢の水が地に集まるように、人々や縁が一箇所に結集する時です。しかし、単なる群衆の形成ではありません。卦辞にある「王假有庙(王、廟に仮る)」とは、集団の中心には精神的な柱や崇高な共有理念が必要であることを示唆しています。
現代社会において、この卦は「共鳴」と「誠実」の重要性を説いています。孤立を解き、志を同じくする仲間や組織と出会うこと、あるいは自らが中心となって人々を結集させる好機です。ただし、集まるための儀式として「大牲(たいせい)」を用いるように、あなたは最大限の誠意と献身をもってその場に臨むべきです。打算的な付き合いではなく、純粋な意図で他者と関わることで、真の信頼関係が築かれます。
今は、迷いがあれば信頼できる指導者やメンター(大人)の力を借りる時でもあります。一人で抱え込まず、共通の目的のために力を合わせることで、個人の限界を超えた成果が生まれるでしょう。内なる誠実さを忘れず、前進することが肝要です。
卦体
孚(まこと)ありて終(おわ)らず、乃(すなわ)ち乱れ乃ち萃(あつ)まる。若(も)し号(さけ)べば、一握(いちあく)にして笑いとならん。恤(うれ)うるなかれ、往(ゆ)けば咎なし。
引(ひ)けば吉にして咎なし。孚(まこと)あれば乃(すなわ)ち禴(やく)を用いるに利あり。
萃(あつ)まる如(じょ)たり、嗟(なげ)く如たり。利(り)するところなし。往けば咎なし。小(すこ)しく吝(りん)なり。
大(だい)吉なり。咎なし。
萃(あつ)まるに位(い)あり。咎なし。孚(まこと)あらずんば、元(おお)いに永く貞(ただ)しくせよ、悔(くい)亡(ほろ)ぶ。
赍咨(せいし)して涕洟(ていい)す。咎なし。