卦辞

亨(とお)る。出入(しゅつにゅう)に疾(やまい)なし。朋(とも)来(きた)りて咎(とが)なし。その道を反復(はんぷく)し、七日にして来(きた)り復(かえ)る。往(ゆ)くところあるに利あり。

復卦は、冬の極みから春の息吹が感じ取られる「一陽来復」の象意を宿しています。これは、人生における長い停滞や困難が、決して終わりではなく、新たな始まりへの確かな転換点であることを示唆しています。「七日来復」という言葉は、物事には厳然としたリズムがあり、好転の時期は必ず巡ってくるという自然の摂理を説いています。

現代の喧騒の中で何かに挫折したり、迷いを感じたりした時、この卦は「内省」と「回帰」の重要性を教えてくれます。「出入无疾」とあるように、変化のプロセス自体に病いや害はないのです。無理に外部へ打って出るのではなく、一度深く呼吸を整え、自分の内なる声に耳を傾けてください。そこにある小さな希望や気づきこそが、未来を動かす原動力となります。過去の失敗に囚われず、本来の自分に「帰る」ことで、誠実な意志は共鳴し、理解者は自然と引き寄せられます。焦ることなく、確かな一歩を踏み出す時。それが今なのです。

卦体

初九

遠からずして復(かえ)る。悔(くい)に至るなし。元(げん)吉なり。

六二

休(よ)く復る。吉なり。

六三

頻(しき)りに復る。危(あやう)けれども咎なし。

六四

中行(ちゅうこう)にして独り復る。

六五

敦(あつ)く復る。悔なし。

上六

迷いて復る。凶にして災眚(さいせい)あり。用(もっ)て師(すい)を行(や)れば、終に大敗あり。その国を以(もっ)てすれば、君凶なり。十年に至るまで征(う)つに克(あた)わず。