内卦
離
外卦
巽
家人
「 女(じょ)の貞(てい)に利(り)あり。 」
卦辞
女(じょ)の貞(てい)に利(り)あり。
【家人】の卦は、風が火に乗ってその熱を広げる象に由来し、内なる誠実が外への大きな影響力を生み出すという真理を説いています。卦辞にある「利女貞」を現代的な哲学の視点で捉え直せば、それは強引な支配や力による征服ではなく、柔軟な包容力と地道な誠実さこそが、組織や人間関係を安定させる鍵であることを示唆しています。
社会生活において、私たちはしばしば外での成果や評価に目を奪われがちですが、この卦はまず「家」、すなわちあなたの最も近しい人間関係や内なる精神の基盤を整えることの重要性を諭しています。心の拠り所がしっかりとしてこそ、外の世界でも力を発揮できるのです。
日常生活における具体的なアドバイスとしては、職場や地域での役割を果たす前に、まずは家庭やパートナーとの対話、あるいは自分自身との対話に丁寧になることをお勧めします。目立たない場所での信頼構築や、感情の機微を大切にする態度、すなわち「内なる正しさ」を貫くことが、やがて大きな風となってあなたの活動を支えるでしょう。内なる調和こそが、真の成功への最短の道なのです。
卦体
初九
家を閑(ふせ)ぐ。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。
六二
遂(と)ぐるところなし。中饋(ちゅうき)に在(あ)れば、貞(ただ)しくして吉なり。
九三
家人嗃嗃(かくかく)たり。悔(くい)厲(あやう)けれども吉なり。婦子(ふし)嘻嘻(きき)たれば、終(ついに)吝(りん)なり。
六四
家を富(と)ます。大(だい)吉なり。
九五
王、家あるに仮(いた)る。恤(うれ)うるなかれ。吉なり。
上九
孚(まこと)あり威如(いじょ)たり。終(ついに)吉なり。