第54卦 归妹の意味と解釈と卦辞解説

卦辞

征(ゆ)けば凶なり。利(り)するところなし。

第54卦「帰妹」は、順序を欠いた結びつきや焦りを象徴し、無理に進めば失敗するため、時を待ち誠実に務めるべきことを示しています。

このページでわかること

  • 第54卦 归妹の基本的な意味
  • いまの判断にどう読み替えるか
  • 仕事・恋愛・金運で見るときの入口

入口の選び方

まず卦辞で全体の調子をつかみ、次に総合解説を読み、恋愛と仕事の切り口を見比べ、最後に各爻で具体的な動きを確認する読み方が使いやすい構成です。

知恵の助言

現状は、物事の順序や道理が逆転しており、情熱や一時的な感情に流されやすい不安定な状態です。

総論

「帰妹(きまい)」は、妹が嫁ぐことを意味しますが、これは正妻ではなく側室としての嫁入りや、順序を無視した結びつきを象徴しています。上卦の「兑(悦)」が下卦の「震(動)」の上にあり、喜びが動きを制御できない形で、情熱や衝動が先行してしまい、理性的な判断や正しい手順が欠けている状態を表します。卦辞にある「征けば凶なり」とある通り、この状態で無理に目的を遂げようとすれば、必ず失敗します。

要点

現状は、基礎が固まっていないにもかかわらず、表面的な魅力や短期的な利益に惹かれている状態です。流れは不安定で、焦りが生じやすい時期ですが、ここで無理に事を運ぼうとすると破綻します。機会は、自分の立場をわきまえ、控えめに振る舞うことや、目立たない場所で実力を養うことにあります。

行動の指針

積極的に外へ出て行動するよりも、内なる徳を養い、与えられた環境や役割に忠実であることが求められます。もし主導権を握れない状況であれば、それは時期尚早であるため、補佐的な立場に徹して時が来るのを待ってください。誠実さと忍耐が、最終的に吉をもたらす鍵となります。

注意点

自分の立場や能力を過信し、実力以上のことを求めたり、見栄を張って行動することは大きな危険です。また、形式的な儀礼や言葉だけで中身が伴わない行い(上六の「筐に実なし」)は、信頼を失う結果となるため避けなければなりません。一時の感情に流されず、冷静さを保つことが必要です。

爻辞の詳細

初九

帰妹(きまい)するに娣(てい)を以(もっ)てす。跛(あしなえ)にして能(よ)く履(ふ)む。征(ゆ)けば吉なり。

九二

眇(めし)いて能(よ)く視(み)る。幽人(ゆうじん)の貞(てい)に利あり。

六三

帰妹(きまい)するに須(しゅ)を以(もっ)てす。反(かえ)りて帰(とつ)ぐに娣(てい)を以てす。

九四

帰妹(きまい)期(とき)を愆(あやま)る。遅(おく)れて帰(とつ)ぐに時あり。

六五

帝乙(ていいつ)、妹(いもうと)を帰(とつ)がす。その君(きみ)の袂(たもと)は、その娣(てい)の袂の良(よ)きに如(し)かず。月幾(ほとん)ど望(ぼう)なり。吉なり。

上六

女(じょ)は筐(かたみ)を承(う)くれども実(じつ)なし。士(し)は羊を刲(さ)くも血なし。利するところなし。