卦辞
巳(し)日にして乃(すなわ)ち孚(まこと)あり。元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(り)あり。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。
「革」の卦は、本質的な変容と刷新を象徴する、極めて力強い時です。火が澤の水を煮立たせて変質させる如く、長く停滞した現状を打破し、新たな秩序を生み出すエネルギーが満ちています。卦辞にある「巳日乃孚」は、変革には単なる衝動ではなく、熟成された適切な時期と、それに対する周囲の信頼が不可欠であることを説いています。
現代の生活において、これはキャリアの転換や、固定的な価値観からの脱却、あるいは組織の構造改革を示唆しています。変化を焦り、準備不足のまま行動しても混乱を招くだけです。まずは自身の内面を熟成させ、「悔亡(悔いなし)」という結果を得るために、論理的な整合性と誠実な態度で周囲に訴えかけてください。
ここで言う信頼とは、他者からの承認だけでなく、自分自身の変化を心から受け入れる姿勢にも通じます。これは単なる破壊ではなく、成長のための必然的な「脱皮」のプロセスです。勇気を持って古い殻を捨てる時、そこにはより自由で創造的な未来が広がっています。迷いを断ち切る覚悟と、他者への配慮が調和したその瞬間こそが、飛躍の好機であり、真の革新が成就されるのです。
卦体
鞏(つよ)くするに黄牛(こうぎゅう)の革(かわ)を用いる。
巳(し)日にして乃(すなわ)ちこれを革(あらた)む。征(ゆ)けば吉にして咎なし。
征(ゆ)けば凶なり。貞(ただ)しけれども危(あやう)し。革(あらた)むるの言(こと)三(みたび)就(な)れば、孚(まこと)あり。
悔(くい)亡(ほろ)ぶ。孚(まこと)ありて命(めい)を改(あらた)む。吉なり。
大人(たいじん)は虎変(こへん)す。占(うらな)わずして孚(まこと)あり。
君子は豹変(ひょうへん)し、小人は面(おもて)を革(あらた)む。征(ゆ)けば凶なり。貞(ただ)しきに居(お)れば吉なり。